本文へ移動する
役員に聞く

【取締役インタビュー】シンプルウェイが目指す『日本一働きやすい会社』づくりの全貌

川久保 皆実

育児・介護・不妊治療を含む「ワークライフバランス勤務」「フレックスタイム」「フルリモートワーク」の導入など、先進的な取り組みを続けるシンプルウェイ。シンプルウェイの「働き方改革」はなぜ始まり、どこに向かうのか?取締役の川久保皆実さんにお話を伺います。(インタビュー:2022年12月2日)

取締役・弁護士川久保 皆実

1986年生まれ つくば市出身。東京大学法学部卒、東京大学大学法科大学院修了。シンプルウェイ勤務中の2013年司法試験に合格。2020年つくば市議選に初挑戦で3位当選。現在は、シンプルウェイ取締役、弁護士、つくば市議、2児の母と、4つのわらじを履きこなす。

「働き方改革」推し進めた背景にあった想い

川久保さんは入社当時から「働き方改革」を意識されていたのでしょうか?

いいえ、最初はまったく意識していませんでした!私は2010年12月にシンプルウェイにアルバイトの社員として入社し、2011年4月に正社員になりました。ベンチャーのIT企業ではありがちなことですが、当時は相当ブラックな働き方で(笑)、深夜までの残業もいとわない毎日でした。とにかく仕事が楽しかったし、長時間働いても苦にならなかったんです。

考えを変えるきっかけになった出来事があれば教えてください。

2013年に働きながら司法試験に挑戦したことです。選択科目で「労働法」を選択し、勉強を深める中で「今の働き方は完全に労働基準法に違反しているな...」と感じるようになったんです。また、マスメディアでも「働き方改革」という言葉が頻繁に取り上げられるようになり、「もうすぐ時代の潮目が変わる」と感じていました。代表の大野に「社員が少ないうちに働き方を変えましょう!やるなら今です!」と提案したことを覚えています。

大野さんの反応はいかがでしたか?

大野の対応はすごく早かったですね。「実行する」と決めたら即断即決の人なんです。就業規則の策定、1分単位の残業代支給、年休の100%消化など、当たり前の部分を整えるところからスタートしました。

当時、大野が「売り上げが安定してから改革するという考え方もあるけど、ブラックなまま経営が安定しても長くは続かない。ホワイト化して安定を目指そう」と言っていたのを今でもよく覚えています。

「働き方改革」はお2人で共に取り組んできたことなんですね。

そうですね。私と大野で、根本の部分の価値観を共有できたからこそ、さまざまな制度設計をする土台ができあがっていきました。私が弁護士資格を取得し、出産を経て2018年に取締役としてシンプルウェイに戻ってきたあとは「労働基準法を守る」という最低限のラインを超えて、より働きやすい環境を作るために「積極的に制度を変えていこう」という動きが加速しました。

"育児・介護・不妊治療"制度を整えれば両立できる

2017年に男性社員が初めての育児休業を取得していますね。

はい。当時、まもなく赤ちゃんが生まれるという男性社員がいたので「育児休業をとってみない?」と大野が提案したことが、初の育休取得につながりました。当時大野も子どもが生まれて時短で働いていたので「赤ちゃんを育てるってこんなに大変なのか...」と実感していたようです。男性社員の育休取得は珍しい時代でしたが、社員たちも「やってみよう!」と前向きでした。チーム内で業務をカバーし合い、育休取得中も大きな問題は起きませんでした。

その後2018年には「育児・介護バランス勤務」を導入されていますね。

社員の中に、子育てを理由にパート勤務になっている社員がいたことがきっかけです。とても優秀な方なのに、正社員として働けないことに疑問を感じ、ならば「制度を変えよう!」と考えました。育児や介護を理由に残業を拒否できること、1分単位での休暇取得を制度として認め、残業できないことや、早退・遅刻が人事評価に影響しない仕組みを作り、子育てや介護との両立を可能にしました。

その後さらに幅を広げ2020年には「不妊治療」も含む制度になっていますね。

はい。社員から「不妊治療をしたい」という相談があり、その相談に応える形で、2020年4月には、育児、介護、不妊治療を含む「ワークライフバランス勤務」と名称を変更しました。

シンプルウェイの働き方改革は、社員のニーズや気持ちに寄り添う形で進んできたと思っています。現在は、社員のうち3名が「ワークライフバランス勤務」で働いていて、育児や不妊治療と両立しながら業務をこなしてくれています。

社員の方々のインタビューでは「シンプルウェイだから働き続けられた」という声が多く上がりました。

育児や介護、不妊治療といったライフイベントは、誰もが経験し得ることなのに、それを理由に働けなくなる今の社会の仕組みは、見直す必要があると思います。シンプルウェイは社員のライフステージやライフイベントに寄り添い、伴走できる会社でありたいと考えています。制度さえ整えれば、多くの場合、仕事との両立は可能だ、というのが私たちの基本的な考えです。

「ワークライフバランス」から「ワークライフフィット」へ

2020年以降は「フルリモートワーク」や「フレックスタイム勤務」も導入されました。

はい、2020年9月に「フルリモートワーク」に切り替えました。フルリモートの唯一の欠点は「誰がどこで何をしているかわかりづらい」ことでしたが、Log+(ログタス)というシステムを導入して解決することができました。タスク管理と時間管理の両方を行い、「誰が、どこで、どのタスクを、どの程度のスピードで、どう進めているのか」まで把握できるようになったんです。フルリモートワークであっても業務に透明性があり、生産効率を落とすことなく業務を行うことができています。今は県外で働く社員も活躍しています。

「フレックスタイム勤務」は、社員が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることができ、1ヶ月単位で労働時間を清算する仕組みです。社員は「定時」にこだわらず、自分たちの生活スタイルに合わせて勤務時間を組めるようになり、自由で柔軟な働き方が可能になりました。

現在の社員のワークライフバランスについてどのように見ていますか?

2021年度は時間外労働の平均値は月16時間でした。また、有給休暇もほぼ100%消化されています。

ただ、納期などとの兼ね合いで単月の残業時間が45時間を超えてしまう社員もいます。2021年4月からは、そのような社員に対して、翌月に私との「個人面談」を行っています。長時間労働になってしまう原因を特定して業務の量や内容を改善することはもちろんですが、体調面と、メンタル面の確認も大切にしています。「食欲は落ちていませんか?」「よく眠れていますか?」とおしゃべりする中で、心身に不調がないか必ず確かめるようにしています。

これは私も大野も共通した想いですが、社員には「幸せに」働いてほしい。その想いをベースにさまざまな改革に取り組んできたので、今後も社員が幸せに働けるように、柔軟に制度を運用していきたいですね。

今後の展望があれば教えてください。

これまでは「ワークライフバランス」という言葉が主流で、働くことと私生活のバランスをいかにとるか、という考え方が浸透していました。でもシンプルウェイでは、新しい価値観として「ワークライフフィット」という考え方を大切にしていきたいと思っています。自分自身の理想の生き方や、実現したいことに、いかに働き方を『フィット』させるか、という考え方です。私自身、シンプルウェイの取締役でありながら、弁護士、つくば市議、母親として生き、自分の理想とする生き方を追求しているので、人生のパズルのピースとして「仕事」を組み込むという考え方がとてもしっくりくるのです。

この「ワークライフフィット」を実現できる「日本で一番働きやすいIT企業」を目指すことが、シンプルウェイの取締役としての当面の目標です。社員が「どう生きたいのか」。その生き方を応援できる会社でありたいと思います。

では最後に、求める人材像があれば教えてください。

育児や介護、不妊治療など、さまざまな事情で従来型の企業では正社員として働けず、ご自身の力を発揮できずにいる方にぜひ来ていただきたいですね。時間と場所の制約がなく、細切れの勤務も認めているシンプルウェイならば正社員として力を発揮し、輝けるという方がきっと沢山いるだろうと考えています。

また、業務内容に関しては「ゆるくて楽」というわけではないので、生産効率を求める社風に合う方を求めています。働く時間は集中してパフォーマンスを発揮してほしいのです。やる気も技術力もあるのに、時間や場所、そのほかの理由で制約がある方には、ぴったりの職場だと思っています。

写真:谷岡碧
取材・文/谷岡碧

大学卒業後、テレビ東京に入社。報道局に配属され、社会部担当の記者として、秋葉原連続殺傷事件、東日本大震災等を取材。テレビ東京退社後、タイ・チェンマイに移住し、NGOに勤務。HIVに母子感染した子どもたちの支援などを行う。17年に帰国。現在は札幌にて子育て中。夫と小学3年生の長男、4歳の長女と暮らす。(2022年12月現在)

Requirements募集要項

シンプルウェイは、スタッフ一人ひとりが成長でき、
かつ健康的に働ける職場を目指し新卒・中途問わず通年採用をおこなっています。