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役員に聞く

「日本で一番働きやすいIT企業」が進化し続ける理由と、今求める人材

トップインタビュー

「フルリモートワーク」「フレックスタイム」「ワークライフバランス勤務制度」をいち早く導入し、現在は個々のライフステージにあった働き方「ワークライフフィット」を提唱するシンプルウェイ。本格的な働き方改革から3年が経って見えた景色、そして今求める人材とは?役員3人に話を伺います。(対談:2023年5月9日)

代表取締役大野 裕介

1980年生まれ、愛知県小牧市出身。筑波大学工学基礎学類卒。卒業後、ITベンチャー企業を経て2007年4月に株式会社シンプルウェイを創業。目指すのは「シンプルウェイを日本で一番働きやすい会社にすること」。家庭では掃除、洗濯、料理まで幅広くこなす頼もしい2児のパパ。

取締役 兼 CTO石川 貴士

1985年生まれ、山梨県甲府市出身。つくば大学在学中にシンプルウェイ創業に携わる。中学時代にパソコンに触れ、以来20年以上プログラミングに向き合っている。開発チームのリーダーとしてシンプルウェイの「スピード」と「クオリティ」を支える立役者。

取締役・弁護士川久保 皆実

1986年生まれ つくば市出身。東京大学法学部卒、東京大学大学法科大学院修了。シンプルウェイ勤務中の2013年司法試験に合格。2020年つくば市議選に初挑戦で3位当選。現在は、シンプルウェイ取締役、弁護士、つくば市議、2児の母と、4つのわらじを履きこなす。

「日本で一番働きやすい企業」を目指して見えた景色

まずはシンプルウェイの創業のきっかけから教えてください。

大野

創業は2007年、今年で16期目になります。大学入学をきっかけに暮らし始めた「つくば」という街が好きで、インターネットコンテンツの創造を通して、つくば市の発展に貢献したいという想いからスタートしました。

創業以来、業績が拡大し続けていますが、経営する上で大切にしていることがあれば教えて下さい。

大野

仕事を続ける中で大切にしてきたことは「スピードは誠意だ」ということです。

私は手取り足取り社員を教育するタイプではないけれど、社員に「レスポンスだけは迅速に!」と繰り返し伝えています。そうした1つ1つの迅速な対応の積み重ねが、クライアントとの信頼関係構築に繋がった、という自負があるからです。

クライアントには「高品質な商品をなるべく早く届けたい」と考えて仕事をしています。会社は変化し続けていますが、「スピード」と「品質」の2つは今後も変わることのない私の大切な価値観ですね。

石川

技術面で言えば、幅広い知識をもとに、クライアントの「困りごと」を一緒に解決するというマインドをずっと大切にしてきました。長期的な視野でお客様のニーズを把握し、未来について価値観を共有する。この姿勢がシンプルウェイの「クオリティ」を担保してきたかなと思ってます。

現在は先進的な「働き方改革」でも注目されていますね。

大野

ここ数年は「シンプルウェイを日本一働きやすい会社にする!」という目標を掲げて、本気で制度設計に取り組んできたので、その点が認められ始めたことは本当に嬉しいですね。

川久保

2022年10月には、シンプルウェイの労働環境整備が評価され、『茨城県ダイバーシティ推進・啓発事業モデル企業』に認定されました。大企業を含めてたくさんの応募があったようですが、モデル企業の5社に選出され、取り組みが認められたことは本当に嬉しかったです!

具体的にどんな取り組みをされていますか?

川久保

2020年にスタートした3つの制度がシンプルウェイの働き方改革の柱になっています。①「フルリモートワーク」 ②「フレックスタイム勤務」③「育児・介護・不妊治療を含むワークライフバランス勤務」の3つです。

大野

現在シンプルウェイでは、午前9時から午前11時までの2時間のコアタイムは社員がそろって勤務しますが、それ以外は、午前5時から午後10時までの好きな時間帯に働くことができます。出勤の必要もなくなったので、茨城県外の社員が増え、現在は全国8都県まで広がりました。

また、育児、介護、不妊治療といった社員のライフステージの変化にも幅広く対応しています。残業の免除、1分単位の休暇を取得できるなど、各々のライフスタイルに合わせて安心して働ける環境を整えています。

石川

早朝に出勤して仕事を早々に終わらせ、子育てと両立する社員もいますし、休憩を何度も挟みながら集中できる自分のペースで働く社員もいます。労働時間は1ヶ月単位で設定するので、ある日は6時間だけ働き、別の日に10時間働く社員もいます。非常に自由で柔軟な職場環境だと思います。

川久保

直近の社内統計では、有休取得率は97.9%、月の平均残業時間は16.8時間でした。育休取得率は100%で、うち2名は男性社員です。

社員のみなさんにインタビューした際には「シンプルウェイだから働き続けることができた」といったポジティブな声がたくさんあがりました。

川久保

0からスタートして制度を積み上げてきたので、「助かっている、働きやすい」という社員の声を実際に聞くと「がんばって制度設計してよかった」と感慨深いものがありますね。

大野

「制度」って、ただあるだけじゃ意味がないと思うんです。例えば、男性の育児休業が制度上はあるけど、社内に育休を取得しづらい雰囲気があると積極的に使えないですよね。

シンプルウェイではそうならないように「一緒に働く仲間の多様性を認めよう、いろいろな働き方があっていい!」と繰り返し繰り返し伝えてきました。今ではそのマインドをみんなが受け取ってくれて、互いの働き方を尊重しながら、制度が実際に「運用」されていることに喜びを感じています。

石川

正直に言うと、私は最初は「働き方改革」という言葉にピンときていませんでした。ずっと仕事をしていることが苦にならないタイプのエンジニアなので...。でも、実際に制度が動き出して「シンプルウェイなら理想の働き方ができる」と応募してくれる人が増えました。仕事の「内容」だけでなく、「働き方」も会社の1つの魅力になるんだと改めて気付かされましたね。

先進的な働き方を支えるITツールと 業務の「見える化」

フルリモートワークへの切り替えの際にハードルは感じませんでしたか?

大野

実は石川は創業以来ずっとフルリモートなんです。

石川

はい。ウェブミーティングも昔から取り入れているので、完全移行もそこまで高いハードルではなかったですね。

フルリモートの唯一の欠点が「誰がどこで何をしているかわかりづらい」というものでした。それも、自社で開発したLog+(ログタス)というシステムを導入してクリアできました。タスク管理と時間管理の両方ができるシステムなので「誰が、どこで、どのタスクを、どの程度のスピードで、どう進めているのか」まで把握できるようになったんです。

川久保

Log+を導入したことで、労働時間ではなく、労働生産性に基づく人事評価も可能になりました。「時間当たりどのようなパフォーマンスをしたか」という客観的なデータに基づいて評価をしています。

現在は出社に切り替えている企業も多いですが、その点はいかがですか?

大野

シンプルウェイは出社への切り替えは検討していません。

Log+に加えて、ウェブミーティングを開きたい時はDiscordやGoogle Meet、チャットでやりとりしたい時はSlack、プロジェクト管理はRedmineと、さまざまなITツールを駆使することで、出社していた時以上に業務上のコミュニケーションがスムーズに取れているからです。また、住む場所を問わず、優秀な社員を採用できるメリットも大きいですね。

ただ、フルリモートの場合、ちょっとした雑談や相談がしづらいというデメリットがあるので、今後も月に1度の個人面談で、社員の意見を丁寧に吸い上げる時間を大切にしたいです。実際に顔を合わせる機会も増やしてたいと思っているので、今年は納涼会や忘年会、ランチ会なども計画しています。

より良い職場環境をつくるために、ほかにも取り組んでいることはありますか?

石川

今積極的に整備しているのが、業務の「属人化」を避けることです。どの業界でもありがちだと思うのですが、タスクやノウハウが担当者の「頭の中」だけにあって、業務が「属人化」されていることって多いと思います。それだと効率は良いのですが、その人が休むと業務が回らなくなるんです。

「日本一働きやすい企業」を謳いながら、誰か1人に負担が集中する事態は好ましくない。タスクを「細分化」した上で「見える」化し、チーム全体で仕事を回す仕組みを整えています。この体制になってから引き継ぎの仕事がおおごとでなくなりました。最近スタッフが育児休業に入る際も、引き継ぎに何日も割くということは全くなく、とてもスムーズにお休みに入ってもらいました。私自身も1人で背負う仕事が減ってとても楽になったと実感しています。

大野

もう1つ取り組んでいるのが、社員の「キャリアパス」の設定です。社員の適性や希望に沿って、2つのコースからキャリアを選択してもらう制度です。

入社後何年か経験を積んだあとで、技術の専門性を高めたい人は「スペシャリストコース」、マネジメントへの関心と適性がある場合は「マネジメントコース」を選択できるようにする予定です。コースによって評価基準も変えます。この制度によって、社員がより将来像を描きやすくなる効果を期待しています。

社員が「どう生きたいか」を応援できる企業でありたい

進化を続けるシンプルウェイですが、創業当初から労働環境への意識が高かったのでしょうか?

大野

いえいえ。当時はよくあるITベンチャー企業の1つで、休みもロクに取らず、残業ばかりしていました。シンプルウェイのあらゆる変化は、社員の意見に耳を傾ける中で生まれたものです。優秀な社員を失わないために、「どうしたら働きやすい会社を作れるかな?」と考えつづけてきた結果だと思っています。

働き方改革については、川久保の存在が大きかったですね。

川久保

シンプルウェイで働きながら弁護士になったので、当初は一弁護士として「労働基準法に違反しない体制作りをしよう」というところからのスタートでした。その後私自身も母親になり「ライフステージの変化に応じて、誰もが生き生きと働ける環境が必要」と強く感じるようになったんです。

シンプルウェイの採用ページを見ると「ワークライフフィット」という言葉が出てきます。どのような意味をもつのでしょうか?

川久保

「ワークライフバランス」という言葉はすっかり浸透しましたが、近年、新しい価値観として「ワークライフフィット」という言葉が生まれました。自分自身の生き方や、実現したいことに、いかに働き方を『フィット』させるか、という考え方です。

シンプルウェイは、この「ワークライフフィット」を実現できる企業でありたいと考えています。社員が「どう生きたいのか」を応援できる会社でありたいんです。

大野

私が思うのは、「どう生きたいのか」はライフステージによって変わるな、ということです。20代の時はバリバリ働きたいと思っていても、子どもが生まれたら家族との時間を大切にしたいと思う人もいる。そして、子どもの手が離れたらまた一生懸命働きたい、と考えることもあると思います。

私はその「バリバリ働きたい」にも「セーブしたい」にも「もう一度働きたい」にも応えられる会社でありたいと思っています。

つい最近、シンプルウェイに入社して、バリバリ働いてくれていた女性社員が育児休業を取得しました。彼女が今後どんな道筋でキャリアを築いてくれるかをとても楽しみにしています。生き方の変化に合わせて働き方が変化するのは当たり前のことなので、その要望にどう応えられるかは、会社としても1つの挑戦だと思っています。

母親として、そんな考え方の企業で働けたらどんなに心強いだろうと思います。

川久保

社員の働き方は、社員だけでなく、子どもや夫婦関係にも大きな影響を与えますよね。無理な働き方を強要すれば、多くの場合、家族との時間が犠牲になります。

労働環境を整えることは、社員だけでなく、社員の家族も含めた周囲の人の幸せも含めて考えることだと思うんです。これからも社員の声をじっくり聞きながら、良い環境を整えていきたいですね。

シンプルウェイは次のフェーズへ 今求める人材は?

最後に、今求める人材像があれば教えて下さい。

川久保

2023年2月から、シンプルウェイは「いばらきダイバーシティ宣言」という茨城県の取り組みに参加しています。性別等にかかわりなく、一人ひとりが尊重され、誰もが個々の能力を発揮できる社会の実現を目指す取り組みです。現在もさまざまなライフスタイルの社員と働いていますが、今後も採用を通じて、ますます「多様性」を受け入れられる企業でありたいと思っています。

そして、シンプルウェイは「働きやすい会社」ですが、それはイコール「ゆったり働ける会社」ではないので、勤務時間内に集中して効率よく業務をこなしてくださる方にぜひ入社していただきたいです。私自身は誠実さをとても大切にしているので、業務に対しても仲間に対しても誠実な方が入社してくれると嬉しいですね。

石川

私は、会社にさらなる刺激を与えてくれるようなエンジニアに来てほしいです。制度やツールが整い、労働環境は整備されたので、会社として、次のフェーズを目指すタイミングかな、と。

シンプルウェイの技術力を底上げしてくれるような方が来てくれたら、この会社はもっとおもしろくなるだろうなって思っています。魅力ある製品もリリースしていきたいので、一緒に挑戦してくれる仲間を募集したいです。

大野

好奇心や興味はすべての原動力なので、「もっと良いものを作りたい」「この技術を試してみたい」「もっと効率化してみたい」など、仕事の中に"挑戦"を求める方にぜひ入社していただきたいですね。

私は、クライアントの要望だけでなく、社員の提案や挑戦にもすぐに応えることを大切にしています。ベンチャーならではのスピード感で新しいことに挑戦したい人には、おもしろい会社なんじゃないかと思います。

基本的なインフラはもちろん、最高に働きやすい環境を整えているので、この環境を活かしてスキルアップしたい方は大歓迎です。あとは多様性を認め合うことがシンプルウェイの大前提なので、お互いの生き方を尊重できる方に入社してほしいですね!

写真:谷岡碧
取材・文/谷岡碧

大学卒業後、テレビ東京に入社。報道局に配属され、社会部担当の記者として、秋葉原連続殺傷事件、東日本大震災等を取材。テレビ東京退社後、タイ・チェンマイに移住し、NGOに勤務。HIVに母子感染した子どもたちの支援などを行う。17年に帰国。現在は札幌にて子育て中。夫と小学3年生の長男、4歳の長女と暮らす。(2022年12月現在)

Requirements募集要項

シンプルウェイは、スタッフ一人ひとりが成長でき、
かつ健康的に働ける職場を目指し新卒・中途問わず通年採用をおこなっています。